2020年に改訂された新学習指導要領では、子どもたちの「生きる力」を育てるため、以下の3つの柱を掲げています。①知識及び技能②思考力、判断力、表現力③学びに向かう力、人間性「考える力」は勉強だけではなく、日々の生活など様々な経験から育まれます。そして、子供とのコミュニケーションは、彼らの考える力を育むための貴重な機会となります。このブログでは、他人を理解するために必要なスキル、視点を変えることの重要性、そして理解力を高めるための具体的なトレーニング方法について紹介しています。お子様の学習意欲を引き出し、読解力を向上させるための効果的な方法を知りたいですか?朝日小学生新聞を活用した要約学習で、お子様の理解力と集中力を向上させる方法をご紹介します。相手の視点を受け入れ、理解する力を高める3つのトレーニング受け身に情報を得ることの多い現代では、学校教育で理解力を養うカリキュラムが組まれていても、それだけではトレーニングが足りないのが実情です。日常生活で実践することができれば、当たり前に繰り返し経験できるので、理解力が身につきます。ここでは、家庭でも取り入れることができる、理解力を高めるトレーニングを3つ紹介します。①アクティブ・リスニングアクティブ・リスニングとは、精神カウンセリングなどで用いられるコミュニケーションの方法です。真剣に相手の話を聞くシーンで、ふと別のことを考えてしまったり、次に自分が話すことを考えたり、相手の話に十分な注意を向けていないということはよくあると思います。黙って聞くこと=パッシブ(受け身の)・リスニングは、効果的に相手を理解することができません。お子さんとの会話ではどうでしょう。聞き上手になろうと聞くことに徹したり、お子さんの思いを聞く前に、自分の考えを伝えてしまうことはないでしょうか。アクティブ・リスニングを実践するためには、4つのすべきことと4つのしてはいけないことがあります。アクティブ・リスニングですべき4つのこと相手の話したことを言い換えたり、まとめたりして会話する相手の話した内容を少し掘り下げて質問する相手の気持ちに共感する相手の話に集中していることを示すこれらの行動は相手に真剣に聞いている印象を与えます。1・2は自分の理解度を相手に確認でき、相手の気持ちを想像して共感できるようになります。このようなコミュニケーションを取ることで、相手との間に信頼感ができ会話が弾むので、たくさんの情報に触れて理解を深められるのです。実はアクティブ・リスニングということは、気心の知れている友達や仲間とは自然とできていることではないでしょうか。理解力を高める方法は、日常のトレーニングで可能だと言われるのも、おわかりいただけると思います。アクティブ・リスニングでしてはいけない4つのこと決めつける話の腰を折るアドバイスする否定するアクティブ・リスニングをするときに大切なことは、自分の考えは置いておき、相手を評価しないことです。アクティブ・リスニングで重要なのは「相手を理解すること」です。相手の状況や気持ち、考え方を尊重して会話に参加しましょう。最初から様々なポイントを意識するのは難しいので、まずは、できそうなポイントに絞ってアクティブ・リスニングに取り組んでみるのが重要です。②メタ認知トレーニング「メタ認知」とは自分の認知を客観的にとらえることを指します。今自分がどのような状況にいて、どのような感情を抱いているのかを知ることで、自身を俯瞰的に見ることが可能です。教育分野や脳科学分野などで注目されているので、「メタ認知」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。なぜ注目されているのかというと、メタ認知能力をあげることで、理解力や応用力、問題解決能力がアップすることが研究で明らかになってきたからです。子どもだけでなく大人でも、「知らないことがある」ということを認識して取り組むのと、漠然と取り組むのでは、目的意識が違うためパフォーマンスアップに繋がります。子どもにメタ認知トレーニングするときは、勉強をする前後にメモを取ります。きれいにまとめる必要はないので、現在の自分の認知について振り返る癖をつけましょう。1.勉強前メタ認知メモこれから何を勉強するのかそれに関して、現段階で何を知っているか、知らないかそのトピックは苦手か、得意か。苦手ならどのようにアプローチするか今日の勉強で何を得ることができると思うか2.勉強後メタ認知メモ何を勉強したか今日の勉強で何を得たか今日の勉強結果を、今後の勉強に生かすとしたらどんなことかこの他にも学習目標を立てて、スケジュールを作ることもメタ認知トレーニングになります。自分の知識や能力を知り、振り返りながら意識して目標と照らし合わせていくことで、メタ認知能力を磨くことができます。③視点を変えるトレーニング文字通り、他の人の視点に立って考えてみたり、いつもの自分の考え方ではなく、新しい切り口から物事を見つめ直す力のことを意味します。視点を変える力は、自分や相手の理解を深めたり、知識を身につけるだけでなく、クリエイティブな発想や、周りと協力していくのにも必要なスキルだといえるでしょう。視点を変えるトレーニングはペンシルベニア大学ウォートン・ビジネス校の研究で生まれた2つのメソッドがあり、ビジネス現場でも使用されています。ここでは子ども用に大人が関わりながら行う、視点を変えるトレーニングを紹介します。1.最近の視点の転換を考える最近2週間くらいで起こった、友人や家族など身近な出来事で、他人との気持ちのやり取りがある場面を思い浮かべるそのときに何が起こったのか順番に思い出す次に相手になったつもりで、そのときのことを思い出す(視点の転換)相手の気持ちになって考えてみると、どんな気持ちになったかを聞く子ども同士のケンカや親からの注意がうまく伝わらないときに、この方法は有効です。アクティブ・リスニングのポイントも押さえながら実践しましょう。2.次回の視点の転換の準備をする今後2週間の予定を考えて、他の人の視点を理解する場面がありそうな出来事を想像するその中で相手がどんな思いをするかを想像するそのときに自分はどんな行動をするか、どんな気持ちになるかを想像する相手の気持ちを無視した場合、どうなるかを想像する事前にいろいろな場面をイメージトレーニングしておくことで、実際の場面で相手の気持ちを確かめながら対応できます。気持ちの余裕ができ、ネガティブな反応が返ってきたとしても、感情に左右されることなく客観的に見ることができるようになるのです。まとめ考える力を育むためには、まず相手の話や内容を理解する必要があり、理解力を育てることも同時に進めなくてはなりません。相手を理解するためには、視点を変える力を育てることが効果的で、日常的なコミュニケーションでトレーニングができます。視点を変える3つのトレーニング方法とは以下の通りです。アクティブ・リスニングメタ認知トレーニング視点を変えるトレーニングこれらのトレーニングを習慣にすることで、考える癖がつき、客観的に情報を捉えられ、相手への理解が深まります。AIにはできない、人の心を理解し、その場に適応できる能力を身につけることができるので、ぜひ日常に取り入れてみてください。子供の思考力を育てる「カンガエMAX。」【小学校低学年のご両親におすすめの記事】IQは後天的に決まる?小学生の考える力を上げる方法自分で考えて行動するためには?子どもの好奇心を引き出す方法「小1プロブレム」で子どもは何を感じている?問題行動や原因と家庭で出来る対策とは子供の思考力を高める!勉強以外に大切な3つのこと【10歳の壁】で子供に現れる3つの変化と適切な親の接し方とは勉強しない子にもう悩まない!小学生が家庭学習を習慣化する秘訣と子供の心理心豊かに育てたい!9歳までしか伸ばすことができない6種類の知能とは【中学受験】低学年のうちから準備しておくべきこと日記はメリット多し!小学校低学年から読解力と語彙力を育てる!