▶教科別にプロから思考力の身に着け方を学ぶ▶小学生の思考力を育てる「カンガエMAX。」監修者インタビューを読むGRITとは?GRIT(グリット)とは、「やり抜く力」と言い換えることができます。GRITは「Guts」「Resilience」「Initiative」「Tenacity」の頭文字です。Guts(ガッツ):継続的な努力、困難に立ち向かう度胸や闘志など。Resilience(レジリエンス):継続的な努力、粘り強くあきらめない力など。Initiative(イニシアティブ):自己規律、自ら取り組む主体性など。Tenacity(テナシティ):情熱、やり抜く執念、やり遂げる力など。GRITという概念は、2007年にアメリカの心理学者アンジェラ・ダックワース(Angela Duckworth)が提唱したことで知られています。ダックワースは、GRITを、個人が長期的な目標を達成するために必要な、継続的な努力、根気強さ、自己規律、そして情熱という特性と定義しました。その後、ダックワースを含め、多くの心理学者や教育研究者たちがGRITに関する研究を進め、その重要性が再認識されるようになりました。現在では、GRITを育成する方法や、GRITがどのように人生の成功に関連するかなど、様々な研究が進められています。GRITの特徴は、才能などの先天的な要素ではなく、後天的な要素ですべてが自分の行動にかかっている点です。自分でコントロールすることができ、自らが能力を伸ばすことができます。またGRITは「困難に遭遇してもくじけない気持ち」「歯を食いしばる」という言葉に置き換えることも可能です。近年の研究では、人生を成功させるために重要な要素であるという結果が出ており、注目を集めています。なぜいまGRITが注目されているのか昨今では、人生を成功させるための要素として何が重要なのかが研究されたり、議論されたりしています。その人の持つ能力が、学歴や収入にどう影響していくのかなどです。その中で人間の持つ「能力」について注目が集まっています。■人間の持つ能力人間の持つ能力は大きく2つに分類され、「認知能力」と「非認知能力」に分けることが可能です。認知能力とは、思考力や計算力、知識などの知能に関係する能力になります。非認知能力とは、協調や共感、自制、自立、忍耐、自身、意欲などの心の部分の能力です。そして近年の研究結果から、人生の成功において重要な要素になってくるのが「非認知能力」であると言われています。GRITは非認知能力の分類です。そのため人生を成功させる重要な要素として、今注目されています。成功者の多くが語っているように、継続や努力が「やり抜く力」の根源となり、それがGRITです。■GRITが必要とされる理由2000年頃から「勝ち負けよりも楽しさ」を重視する教育が定着してきました。楽しさの中で伸び伸びと育てるという方針です。しかしその結果、努力や頑張りの根源である「心」の鍛錬がおろそかになり、学力低下を招く事態となっています。人生を成功させ豊かに過ごすためには、努力や頑張り、忍耐などの必要性が見直されており、注目を集めているのが「GRIT」です。GRITを育てるために大切な4つのこと子供のGRITを育てるために大切な要素は以下の4つです。興味鍛錬目的夢子供は興味のあるものにしか行動を起こしません。まずは「興味」を持たせて取り組むところから始めるのが良いでしょう。次に重要なのが「鍛錬」です。繰り返しやってみることで興味が深まり習熟します。繰り返しの取り組みの中で、新たな「目的」が生まれてくることも珍しくはありません。目標に向かって努力することが大切です。新たな目的の達成を「夢」にすることで、困難を乗り越える力をつけることができます。この4つの要素を日常から意識しておくことで、子供のGRITを伸ばしていくことができるでしょう。親が子供に対してできること親が子供のGRITを育てるためにできることや、注意すべきことがあります。何よりも大切なのが、子供のGRITを引き出す「環境」を作ることです。その方法をご紹介します。■チャレンジ精神を鍛えるGRITを育てるためには、難しいことに挑戦してチャレンジ精神を鍛えることが必要です。そのため子供が取り組むチャレンジ目標を、子供自身に決めさせます。親の押しつけでは意味がありません。子供が興味を持ったもので継続できるような目標を設定します。また、このとき親も自身のチャレンジ目標を決めて、子供に頑張る姿を見せることが大切です。■大人が手本を見せる子供に対して、大人が粘り強く頑張る姿を見せることが効果的です。そのため、親が目標に向かってあきらめずに取り組む姿勢を見せましょう。やり切った先には、幸福感や達成感があることを教えることが重要です。また子供が努力して頑張っている姿は、身近で親が見てあげると効果があります。子供と一緒に困難に立ち向かい、達成した後には幸福感を分かち合いましょう。■子供をほめる子供の努力や行動をほめてあげましょう。結果の良し悪しは関係ありません。過程が大事です。例えば子供に対して「かしこいね」とほめるよりも、「がんばっているね」のように途中の過程をほめてあげることで、子供の粘り強さが育ちます。子供の思考力を育てる「カンガエMAX。」【小学校低学年のご両親におすすめの記事】自分で考えて行動するためには?子どもの好奇心を引き出す方法「小1プロブレム」で子どもは何を感じている?問題行動や原因と家庭で出来る対策とは子供の思考力を高める!勉強以外に大切な3つのこと【10歳の壁】で子供に現れる3つの変化と適切な親の接し方とは勉強しない子にもう悩まない!小学生が家庭学習を習慣化する秘訣と子供の心理心豊かに育てたい!9歳までしか伸ばすことができない6種類の知能とは【中学受験】低学年のうちから準備しておくべきこと日記はメリット多し!小学校低学年から読解力と語彙力を育てる!