国語力とは?国語力とは、一言でいえば、国語の力です。詳しく言えば、日本語を読み、聞き、話し、書く力のことです。日々生きていくうえで欠かせない能力です。ただ、親世代やその前の世代に求められていた国語力と、今の子どもたちに求められている国語力は、まったく同じではありません。これからの時代に即した国語力を身につける必要があります。■国語力の必要性英語などの外国語と違って、日本に生まれ育った子どもたちは、日本語を読んで、書いて、話して、聞くということを自然と習得できます。ただ、意識的に学習しないと獲得できない能力もあります。例えば、読解力や文章力、表現力などです。これらの能力は、国語という教科を超えて、全ての教科の基礎であり、社会に出てからも必須の能力です。■これからの時代にこそ必要とされる国語力親世代やその前の世代に求められた国語力と、今の子どもたちに求められる国語力は、まったく同じものではありません。特に、ますます情報化、国際化が進むこれからの時代において、全ての基礎となる国語力は一層必要とされています。進む情報化のもと、手軽に苦労なくインプットできる現代の状況に対して、本を読んでじっくり考える、人の意見をしっかり聞く、自分の意見を述べることができる能力がとても大切です。さらに、自らのアイデンティティとしての国語の能力を高めることは、広がる国際化のもとでは必須です。鍛えるべき4つの国語力文部科学省答申「これからの時代に求められる国語力について」の中で、「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」という4つの能力が国語力の中核と位置づけられています。それぞれの力について考えてみましょう。鍛えるべき国語力①:考える力先ほど書いた文科省答申によると、考える力とは「論理的思考力」のことを言います。親世代に比べて、今の子どもたちは、過多ともいえる情報にさらされています。そんな中にあって、あふれる情報を取捨選択し、事実と推測の違いを見極め、自分や他者が置かれている状況を的確にとらえる能力が要求されます。情報の波に押し流されず、地に足をつけて考える習慣こそが、考える力と言えるでしょう。一朝一夕に身につくものではないからこそ、意識的に養う必要があります。鍛えるべき国語力②:感じる力相手の気持ちや文学作品の内容、自然や美しいものに対する感受性、さらには言葉の微妙なニュアンスの違いなどを理解する力です。感じる力は生まれつきのようにとらえられがちですが、実際は、育つ環境などに大きく影響されます。小さいころから、あるいは日常的に、あるいはまわりのおとなたちの影響を受けながら醸成されていきます。子どもの感受性に共感し、伸ばしていこうという取り組みが必要です。鍛えるべき国語力③:想像する力想像する力とは、経験していないことや現実ではないことを頭の中でイメージを自由に思い描いたり、相手の表情や態度から言外の思いを察する能力のことです。小さなころから、さまざまなコンテンツを見たり聴いたりして育ちながら、それ以上にイメージが拡がらないのはなぜでしょう?製作者のイメージをそのまま与えられるだけだからかもしれません。例えば、ファンタジーを自分で文字で読んで、イメージを膨らませるという経験が、大きな力を持ちます。鍛えるべき国語力④:表す力表す力とは、考え、感じ、想像したことを表現する力のことです。自分の考えを表明したり、他者の考えに対する意見を述べたりすることも含みます。表現するためには、それを支える語彙や文法などの国語の知識が必要です。国語における漢字の学習などはその最たるものです。国語の知識に裏打ちされてこそ、表す力が花開きます。4つの能力強化で、国語力がアップ!前章で詳しくご説明した4つの能力を鍛えることを通して、国語力が格段にアップします。一方、国語力がアップすることによって、この4つの能力も伸びます。まさに、好循環のサイクルができあがります。国語で伸びる能力①:読解力「うちの子は、読解力がないので、算数でも計算問題は得意ですけど、応用問題が全然できなくて困っています」というような意見をよく聞きます。読解力とは、文章を読み解く力です。国語だけでなく、すべての教科で必要とされる能力です。他の4つの能力同様、一朝一夕には身につきません。長期のスパンで考えましょう。国語で伸びる能力②:記述力記述力とは、文章を記述する能力です。大人でも、その人の書いた文章を読めば、文章を書き慣れているかどうかがすぐにわかります。IT化が進んでも、文章を書く機会がなくなることはありません。きちんとした文章を書くためには、語彙や漢字、文法などの知識の強化も欠かせません。国語で伸びる能力③:文章力文章力とは、何もないところから文章を創造する力です。小学校低学年から、毎日、日記を書かせる学校が多いですが、毎日、何らかの文章を書く習慣をつけることはいいことです。夏休みの宿題の作文や読書感想文などに四苦八苦する子どもが多いですが、文章を書き慣れていないことも原因です。特に、短文のSNSやTwitterに慣れてしまうと、なかなか長文を書くのは骨が折れます。国語で伸びる能力④:表現力子どもたちの作文を読むと、「楽しかった」「うれしかった」が繰り返されている場合がよくあります。ただ、今の子どもたちに限らず、親世代の子ども時代も同じようなものでした。表現力は、いろいろな文章を読んで、いろいろな表現を知ることから始めましょう。また、日常生活のふとした瞬間に、子どもたちは天才的な表現をすることがあります。それを聞き逃さず、ほめてあげることも大切です。大切に育てたいですね。国語力を伸ばすための家庭学習法さぁ、いよいよ、国語力を伸ばすための家庭学習法をご紹介します。特に、目新しいことや、複雑なことはひとつもありません!従来からよく言われていることばかりです。ただ、これらのことを意識して、子どもに接するだけでずいぶん効果があります!■親との対話・会話親との日常の会話を少し意識するだけで、子どもたちの語彙や表現力は飛躍的に伸びます。あえて、難しい言葉を使う必要はありません。ただ、いつまでも幼児言葉を使うのは、NGです。さらに、季節の移り変わりやニュースなどについても、大人がきちんと発信しましょう。正しい言葉を使う家庭に、汚い言葉を使う子どもはいません。ふだんから、いろいろな会話が弾む家庭が、子どもの感受性や考える力を醸成します。■教科書の音読小学校では、教科書の音読を宿題に出されることが多いです。音読は、国語力を養うためにはとても有効な方法です。教科書にはさまざまな文章が載っています。いろいろなジャンルの文章に触れるいい機会です。ご家庭で、「教科書朗読の夕べ」のようなイベントをしてみてはどうでしょう?親もお気に入りの文章を子どもの前で読んでみましょう。きっと子どもたちのインセンティブになります。■文章を写す教科書の音読に続いて、文章を写してみましょう。実際に自分の手で書くと、より文章の表現などが身につきます。もちろん、漢字を覚えるのにも役立ちます。ただ、漢字のことばかり言うと、子どもが興味をなくすので、あくまで文章を写すというスタンスが大切です。■読書本を読むことが、国語の力をつけるのに役立つというのは、大昔から言われています。ただ、子どもたちの本離れが進んでいます。親は本を読んでいますか?読書習慣は、家庭環境に負うところが大きいです。一緒に、図書館に行くところから始めましょう。その時、「そんな本じゃなく、こっちの本にしたら?」は禁句です。読書は楽しいということさえわかれば、子どもは本を読みます。■カンガエMAX。「カンガエMAX。」とは、思考力を鍛えることに特化した新しい教材です。対象年齢が7〜10歳で、専門家監修の5つの力と12の観点で、体系的な思考力トレーニングを実現したタブレットと紙で学ぶハイブリット型教材です。自然と、「文章理解力」「条件整序力」「資料分析力」「真偽判断力」「課題解決力」が身につくように作られています。家庭学習に一つの方向性を与える教材です。一度試してみませんか?国語力を伸ばして家庭学習を加速しよう!読解力だけでなく、コミュニケーション能力も高めてほしいと願っている保護者の方に、国語力の底上げ、国語能力アップの方法をご説明しました。特に、目新しいことや複雑なことはなかったと思います。今まで言われていることを、少しだけ意識的にすれば、目に見えて、子どもたちは変化します。子どもたちに意識的に接することで、親子関係や大人自身も変化を実感するはずです。ぜひ、楽しく、一緒に頑張ってみてください。