小学生が日記を書くことで身につく6つの能力日記を書くことには、いろいろなメリットがあります。特に、小学校低学年から取り組むことで、様々な能力が身につきます。①文章力小学校低学年では、0から文章を考えて、まとまった文章を書く経験は多くありません。そのため小学校低学年の子どもたちにとって、日記を毎日書く週間を身につけるのは、かなりハードルが高いです。その一方で、毎日日記を書き続けることで、文章力は大きく向上します。最初は、同じようなことばかり書いていてもいいですし、下手でもかまいません。書き続けることによって、文章力は身につくものです。1か月後、半年後と比べてみてください。きっと成長ぶりに驚かれるはずです。②語彙力日記を毎日を書く習慣を身につけることは、語彙力を向上させる素晴らしい方法です。最初は上手く表現できなかったとしても、書き続けることで使える言葉や言い回しが増えていきます。日記を書くことは、漢字を覚えるのにも役立ちます。ただし、それが主な目的になると、日記を書くこと自体が楽しくなくなる可能性があるので注意が必要です。③表現力最初は、「楽しかった」「おもしろかった」などの言葉ばかりが続くかもしれません。はじめの頃は、それを認めてあげましょう。いきなり、いろいろな表現ができるはずがありません。日記を書き始めて、1〜2か月たって、同じような表現が続くようなときは、他の言い回しのヒントを与えてあげると、表現の幅が広がります。大人も一緒に考えると、子どもの方から、思いもよらぬ表現が飛び出すこともあります。④読解力一見、書くことと読解力は関係がないように思えるかもしれませんが、実は大いに関係があります。日記の書き方を教える章で詳しくご説明しますが、日記を書くときに意識しなければならないのが、5W1Hです。「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」ということです。日記を書く際にそれを意識する事を続けるなら、文章を読むときに必要な5W1Hも捉えやすくなります。読解力は、国語という教科を越えて、全ての教科に役立つ能力です。⑤想像力日記をつけ始めたころは、したことの羅列で終わりがちですが、慣れてくると、小さい子供なりに、自分のしたことや見たことへの考察が始まります。「なぜ、犬はあんなに吠えたんだろう?」「○○ちゃんが怒ったのはなぜだろう?」などと考えることは、想像力の醸成にとても役立ちます。相手の気持ちを推しはかる、起こったことを客観的に眺めるなどの習慣を、小さいころから身につけることは、人生を通して役立つ能力になります。⑥思考力日記を書くとき、その日に起こったことや出会ったこと、体験したことを思い出す必要があります。一日を振り返り、思い出す作業は、記憶力アップにもつながります。記憶を呼び戻して、それを5W1Hを意識した文章にまとめる、どんな表現をするかを考えるなど日記を書くことは、総合的な能力を要求されます。さまざまな能力をフル稼働させることは、考える力=思考力アップに多大な貢献をします。▶中学受験の準備で最も重要な「論理力」。上岡教授に学ぶ、論理力の鍛え方。日記を書いて得られる6つの能力は、思考力アップに必須!日記を書くことのメリット、得られる能力はさまざまです。文章力、語彙力、表現力、読解力、想像力、思考力など国語を越えたすべての教科に、学校の勉強を越えたあらゆる機会に必要な能力です。日記を書くことは、それぞれの能力がそれぞれ別々に発達、機能するのではなく、付かず離れず、一体となって発達します。いわば総合的な力が得られます。これらの能力がバランスよく伸びることが、人が生きていくうえで必要な思考力を培います。さらに、6つの能力のほか、記憶力、継続する力、忍耐力などを育てることにも役立ちます。このように見てくると、小学校低学年から日記を書き続けることは、どれだけ大きなメリットがあるかお判りいただけたと思います。とはいえ、続けることは至難の業です。だからこそ、家族の励まし、ちょっとしたアドバイス、動機付けなどが大切です。お子さまの将来のため、ちょっと真剣にかかわってみませんか?日記を書くことをどのように教えるか?日記を書き続けることのメリットは数多くあることはわかっていても、続けることはむずかしいです。まして、小学校低学年の子どもたちならなおさらです。ちょっとした言葉がけ、大人の側の意識変革などで、子どもが日記を書き続けられるようになります。そのコツをご紹介します。■「何を書けばいいの?」「書くことが何もない」という子どもたちへの接し方毎日の日記の宿題に対して、「何を書くの?」「書くことがない」とよく言います。それを聞く親も頭を抱えていて、日記に書くネタ提供のため、どこかに出かけたということさえ聞きます。日記というのは、どこかへ出かけたイベント的なものばかりではないということを親も子もわかるべきです。「何を書けばいいか」「書くことがない」ということに対しては、庭に出て感じる季節の変化などのヒントを与えましょう。さらに、楽しかったことだけでなく、嫌だと思ったこと、悲しいと感じたことなどがないか一日をふりかえってみるように促しましょう。▶小学生の家庭学習のやり方とは?上岡教授に学ぶ、習慣化できる方法とは。■その日の出来事を話し合ってみよう!その日にどんなことがあったかを、親子で話し合ってみましょう。ただ、「今日、どんなことした?」「どんなことを感じた?」と漠然と聞かれても、答えようがありません。大人だって、そんな質問には、なかなか即答できません。ひとつの工夫として、親子でインタビューごっこをしてみてはいかがでしょうか?マイクに仕立てたもの(マイクとお互いが認識できるものなら、スマホでもペンケースでもなんでもいいのです!)をお子さんに向けて見ましょう。そんなシーンは、TVなどで見たことがあるので、子どもたちは大喜びです!「今日は、学校でどんなことをしましたか?」「下校は誰と帰りましたか?」「それをどんなふうに感じましたか?」など立て続けに聞いてみましょう。何かを答えれば、そこを深掘りしましょう。きっとネタがどんどん出てくるでしょう。その時に忘れてならないのは、大人の共感です。大人の基準で判断することはNGです。■メモを書くインタビューごっこでいろいろ出てきたネタをメモに書いてみるよう、促しましょう。出てきたネタをそのまま日記に書き始めるのは、むずかしいです。メモと言っても、小学校低学年の子どもですから、単語の羅列だけでいいのです。並んだ単語を見れば、日記の骨子が見えてくるのではないでしょうか?メモ書きができれば、半分以上、日記が書けたと言えます。■5W1Hを考えてみる文章を読むとき、5W1Hを考えましょうとよく言われます。言うまでもなく5W1Hとは、when いつwhere どこwho だれ what なにwhy なぜhow どのようにですが、小学校低学年の子どもには、このすべてを埋めることは、なかなか厳しいです。最初は、「いつ どこで したこと その時に思ったこと これからしたいこと」などでいいでしょう。これだけで、日記の体裁は取れます。このことを習慣化すれば、日記が書けるようになりますし、読解力も自ずと身についてきます。■長さにこだわらない学校では、「ノート1枚は書きましょう」などの書く量の目安が示されているかもしれませんが、あまり気にすることはありません。最初からノート1ページ分の日記を書くことは、大人でもしんどいです。前項で作った文章を2文ぐらいから始めるといいでしょう。文章力は慣れです!慣れれば、書けます!だから、最初から無理強いはNGです。とにかく、書くこと!書き続けること!そうすれば、1か月後、2か月後にはずいぶん変化し、成長します。お子さんの伸びる力を信じましょう。小学校低学年から読解力と語彙力を育てるために「日記の書き方がわからない」というお子さんを持つ保護者の方に、日記を書くことの意義、日記を書くことによって得られる能力、日記を書くことをどう教えるかにフォーカスして説明してきました。誰もが認めるように、日記を書くことには、すごいポテンシャルがあります。ただ、続けにくいという問題があります。その問題を克服し、日記を書き続けることによって得られる果実をぜひ、お子さんと一緒に手にしてください。応援しています。子供の思考力を育てる「カンガエMAX。」【小学校低学年のご両親におすすめの記事】自分で考えて行動するためには?子どもの好奇心を引き出す方法「小1プロブレム」で子どもは何を感じている?問題行動や原因と家庭で出来る対策とは子供の思考力を高める!勉強以外に大切な3つのこと【10歳の壁】で子供に現れる3つの変化と適切な親の接し方とは勉強しない子にもう悩まない!小学生が家庭学習を習慣化する秘訣と子供の心理心豊かに育てたい!9歳までしか伸ばすことができない6種類の知能とは【中学受験】低学年のうちから準備しておくべきこと日記はメリット多し!小学校低学年から読解力と語彙力を育てる!■カンガエMAX。監修者上岡先生の記事を読むカンガエMAX。は小学生に重要な「論理力」を育む教材中学受験の準備で最も重要な「論理力」。上岡教授に学ぶ、論理力の鍛え方。小学生の家庭学習はどうすればいい?上岡教授に学ぶ、習慣化できる家庭学習とは。